絵画の魅力
今年のゴールデンウィークもあっという間に終わってしまいましたが、どこかにお出掛けはされましたでしょうか。私は久し振りに美術館に足を運んできました。(写真は以前に行った撮影可のものです。)
絵画はなかなか難しくて良く分からないと敬遠される事が多いかもしれません。実は私も元々その一人だったのですが 笑、その考えを変えたのが、15年前にオランジュリー美術館で見たモネの「睡蓮」でした。とても有名な絵ということで興味本位で見に行ったのですが、目の前で本物を見た瞬間に心を打たれて無意識に涙が出たことの衝撃を今でも覚えています。写真で何度も見ている絵なのに、何が違うのか。私が考えついた答えは、本物の絵だけに宿っている光と筆使いでした。
モネを始めとする印象派は、自然の美や当時を生きる人々などを抽象化して光や色彩を主題に描くスタイルで、筆の痕跡をあえて見せて絵の具を塗り重ねる大胆な筆使いが特徴的です。そして、それはやはり写真だけでは感じ取れないものだと思います。
様々な色を重ねてたっぷりと塗られた油絵具の筆跡のその先に、画家本人の魂や息遣いをリアルに感じて思わずフリーズしてしまう事もあります。
また、絵画を観ている時にもう一つ素晴らしいなといつも感じるのは、それを見ている人達の目や表情です。芸術は、美を作り出そうとする人と、そこに美を感じ取ろうとする人の両者がいて初めて成り立つものだと思うからです。
以前、試しに0才の息子を連れて行った時にも、それまでぐずっていたのが本当にぴたりと止まって絵の光をじっと見つめていたので驚きました。その心は人間に本能的に備わっているものなのかもしれません。
是非機会があれば上記のような視点で絵画に触れてみるのも面白いのではないかと思います。